A 漁業分野に特定技能外国人の雇用が認められるのは、「漁業」と「養殖業」とされています。
従事できる業務としては、
漁業にあっては、漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保などであり、
養殖業にあっては、養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収穫(穫)・処理、安全衛生の確保などとしています。
それでは、漁業、養殖業とは具体的にはどういうものが対象になるのでしょうか?
また、漁業の定義のなかに養殖業も含めたり含めなかったりと紛らわしい場合もあります。
事業主が、漁業、養殖業を行うには、農林水産大臣、都道府県知事の免許や許可が必要な場合があります。
1 漁業分野の範囲
「日本標準産業分類」によりますと、
漁業とは、
・海面、内水面において自然繁殖している水産動植物の採捕
・海面、内水面において人工的施設を施し、水産動植物の養殖
・これに直接関係するサービス業務
を行うものとされています。ここでは、漁業には、漁業と養殖業を示しています。
さらに、次のように漁業と水産養殖業に区分され、それぞれに海面、あるいは内水面の別に分類されます。
漁業 | 漁業 | (1) 海面漁業 |
(2) 内水面漁業 | ||
水産養殖業 | (3) 海面養殖業 | |
(4) 内水面養殖業 |
以下は、表中の(1)から(4)の具体的な内容です。
(1) 海面漁業
・底びき網漁業
(遠洋底びき網漁業、以西底びき網漁業、沖合底びき網漁業、小型機船底びき網漁業、手操網漁業、うたせ網漁業、けた網漁業、浮びき網漁業)
・まき網漁業
(ー大中型まき網漁業、中型まき網漁業、いわし揚操(巾着)網漁業、あじ・さば揚操(巾着)網漁業、いわし縫切網漁業、揚操網漁業、巾着網操業、まき網漁業)
・刺網漁業
(ーいわし刺(流)網漁業、にしん刺(流)網漁業、たら刺(流)網漁業、かに刺(流)、網漁業、いか刺(流)網漁業、かじき等刺(流)網漁業、さけ・ます刺(流)網漁業)
・ 釣、はえ縄漁業
(ーかつお一本釣漁業、いかつり漁業、あじ・さば一本釣漁業、一本釣漁業、手釣漁業、文鎮こぎ漁業、まぐろはえ縄漁業、たらはえ縄漁業、たいはえ縄漁業、ひき縄漁業、はえ縄漁業)
・定置網漁業
(にしん定置網漁業、ぶり・まぐろ落網漁業、台網漁業、落網漁業、ます網漁業)
・地びき網・船びき網漁業
(ー地びき網漁業、船びき網漁業)
・採貝・採藻業
(真珠採取業、あさり採取業、はまぐり採取業、かき採取業、あわび採取業、さざえ採取業、採貝業、こんぶ採取業、わかめ採取業、天草採取業、のり採取業、採藻業、海女による採貝・採藻業)
・捕鯨業
(母船式捕鯨業、近海捕鯨業)
・その他の海面漁業
(たこつぼ漁業、うに採取業、なまこ採取業、さんご採取業、海綿採取業、潜水器漁業、つぼ漁業、かご漁業、筒漁業、やす漁業、突棒漁業、さんま棒受網漁業、あじ・さば棒受網漁業、四そう張漁業、敷網漁業)
(2) 内水面漁業
・ 内水面漁業
(河川漁業、湖沼漁業、う飼漁業、肥料用藻類採取業、ため池漁業、やな漁業、えり漁業、ひき網漁業(内水面漁業のもの)、まき網漁業(内水面漁業のもの)、敷網漁業(内水面漁業のもの)、かぶせ網漁業(内水面漁業のもの)、投網漁業(内水面漁業のもの)、魚釣業(内水面漁業のもの)、はえ網漁業(内水面漁業のもの)
(3) 海面養殖業
・海面養殖業
(海面において、築堤、小割、いかだ式垂下、はえ縄、網びきなどにより水産動植物を養殖)
・魚類養殖業
(ぎんざけ養殖業、まあじ養殖業、しまあじ養殖業、ぶり養殖業、ひらまさ養殖業、かんぱち養殖業、まだい養殖業、ちだい養殖業、くろだい養殖業、ひらめ養殖業、ふぐ類養殖業)
・貝類養殖業
(ほたてがい養殖業、かき類養殖業、あわび類養殖業、もがい養殖業、あかがい養殖業、いたやがい養殖業、ひおうぎ養殖業、あさり養殖業)
・藻類養殖業
(こんぶ類養殖業、わかめ類養殖業、のり類養殖業、もずく養殖業)
・真珠養殖業
(真珠養殖業)
・種苗養殖業
(ぶり類種苗養殖業、たい類種苗養殖業、くるまえび種苗養殖業、真珠母貝養殖業、ほたてがい種苗養殖業、かき類種苗養殖業、わかめ種苗養殖業)
・その他の海面養殖業
(くるまえび養殖業、ほや類養殖業、がざみ養殖業、うに養殖業)
(4) 内水面養殖業
・内水面養殖業
(こい養殖業、ふな養殖業、うなぎ養殖業、さけ・ます類養殖業、あゆ養殖業、錦鯉養殖業、ティラピア養殖業、金魚養殖業、すっぽん養殖業、水田養魚業、どじょう養殖業、ぼら養殖業、淡水真珠養殖業、淡水真珠母貝養殖)
・ご不明のときは、⽔産庁漁政部企画課漁業労働班に確認できます。
(参考)漁業、水産養殖業と他産業との関係
◇ 漁家で製造活動を行っている場合
× 主として他から購入した原材料を使用して製造、加工を行っている場合は漁業活動とはしない。
〇 主として自家取得した原材料を使用して製造、加工を行っている場合は漁業活動とする。
× 同一構内に工場、作業所とみられるものがあり、その製造活動に専従の常用従業者がいるときは漁業活動とはしない。
〇 漁船内で行う製造、加工は漁業活動の一部とみなし漁業に含まれる。
× 漁業協同組合の事業所で信用事業又は共済事業と併せて、他の大分類にわたる事業を行っているものは、「大分類複合サービス事業」に分類される。
× 漁業協同組合の事業所で、単独で工場、店舗等を構えて単一の事業を行っているものは、その行う事業によって製造業,小売業等それぞれの産業に分類される。
× 複数の大分類にわたる事業を行う漁業協同組合の事業所であっても、信用事業または共済事業を行っていない場合は、その事業所で行う事業のうち、主要な経済活動によりそれぞれの産業に分類される。
× 冷蔵倉庫業は、「大分類-運輸業」、「大分類ー郵便業」に分類される。
2 事業の免許・許可
漁業を行うには、農林水産大臣または都道府県知事の許可などが必要となる場合があります。これに該当するときは、在留資格認定証明書交付申請の際に、許可証などの添付書類として提出が必要です。
(1)漁業権漁業
知事により、都道府県内の沿岸での漁業、養殖業などについて、漁協、個人、法人ごとに定められた区域内で他の利用を認めず独占できる権利(免許)を得て操業するもの。
(2)知事許可漁業
知事により、都道府県の沖合などでの漁業について、漁業者、使用船舶ごとに許可を得て操業するもの
(3)農林水産大臣許可漁業
大臣により、複数の都道府県にまたがる区域の沖合での漁業、外国に出漁しての漁業について、漁業の種類、漁船に規模、漁法などが一定の基準に該当するときに、船舶ごとに許可を得て操業するもの(現在17種類の漁業が指定されています)。
(4)農林水産大臣届出漁業
沿岸マグロはえ縄漁業、小型するめいか釣り漁業、暫定措置水域沿岸漁業などのうち一定の基準(漁船動力、漁法など)について、届け出て操業するもの。
なお、各地域の状況によりこれら以外に一本釣り漁法などがあります。
3 事業主体(労働者派遣事業者)にかかわるもの
これらの事業を行う事業主体は、漁業、養殖業を営む個人、法人のほか、関連する業務を行う者(漁業組合など)が該当します。
なかでも、これらの者のうち、特定技能外国人を雇用して、他の事業主の業務に従事させるためにその事業所に派遣する労働者派遣事業者であるときは、労働省派遣事業の許可を受けていることが必要です。
労働者派遣事業者を行うには、派遣事業者に関する制約があるほかに、漁業協同組合が、労働者派遣事業を行うには、定款に定めのほか、労働者派遣事業は、組合の運営に⼤きく影響し、事業計画の設定や変更に該当することから、総会決議も必要となります。
「Q&A 特定技能の「漁業分野」について、詳しく教えてください」に戻る。
あわせて、
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(外国人本人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(事業主・法人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(個人事業主編)」
をご覧ください。
また、最近の「2022年6月1日からの水際対策(概略)」、「2022年9月7日からの水際対策はどう変わるの?」もご覧ください。
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