A 日本の農業は、長く国民の生活基盤を支える基幹産業の一つとして重要な役割を果たして来ました。
今日では、農業環境は大きく変化し、それを取り巻く課題は多くあります。なかでも、特に大きな課題は、農業を支える担い手の減少が顕著です。
以前は、日本の農業の労働力は農家世帯員を主としておりましたが、農繁期に家族のみでは労働力が不足する場合には、臨時雇用により対応することもありましたが、製造業などの基幹産業がけん引した日本の高度成長とともに、農家世帯員の農業以外への就労などにより農家世帯員の労働力の減少してきました(農地面積にあっては、昭和31(1956)年、田332.0万ha.畑269.2万ha.➡平成27年、田332.0万ha.畑269.2万ha.)。
これは、高齢化(農業就業者に占める65歳以上の高齢者:21.0%(昭和50(1975)年)➡63.5%(平成27(2015)年))や少子化がもたらす大きな労働力の不足が根底にあり、この特定技能制度が導入されている他の12の産業分野と同様に深刻となっています。
農業就業人口(15歳以上の農家世帯員のうち、調査期日前1年間に農業のみに従事した者または農業と兼業の双方に従事したが、農業の従事日数の方が多い者をいう。)をみますと、
1960年には、1,454万人であったところ、2015年には210万人と85.5%減少しています。
これは、高度経済成長をもたらした製造業などに労働力のシフトが起こり、国際競争力が高まるにつれて、国際社会から日本の農業に対する国の保護政策が問題視されるようになり、農業の規制緩和、撤廃、自由化によって、さらに国民の食生活の嗜好の変化をもたらし、国内農業生産物は、輸入される安価な外国産農産物との価格競争などに直面するなど、ますます農業経営の困難さ、複雑化、不安定化が進んだことが背景にあるものと思われます。
また、日本の食料自給率(カロリーベース)をみてみましても、昭和21(1946)年88%、昭和40(1965)年度73%の水準であったものの、緩やかに下がり始め、平成12(2000)年度以降は、40%前後でほぼ横ばいに推移し、直近の令和3(2021)年には、38%となっています(参考:カナダは264%、オーストラリア224%、アメリカ130%、フランス127% いずれも2013年度の農水省試算)。
しかしながら、農業従事者の減少する反面、農業経営、畜産や園芸において、大規模化、経営の多角化などの取り組みより、多数の雇用労働者が必要となり、農業雇用は多様な雇用形態をとりながら増加がみられる分野が出てきています。
雇用労働力をみてみますと、平成17(2005)年には13 万人でしたが、平成27(2015)年には 22 万人と増加しているほか、平成29(2017)年の農業分野の有効求人倍率は 1.94 倍(農耕作業員 1.71 倍、養畜作業員 2.80 倍)となっており、深刻な人手不足の状況にあります。
人手不足は、収穫期等短期間での労働力確保ばかりでなく、農業経営の維持や規模拡大を効率的かつ積極的に進めるにあたっても支障が生じており、常時雇用者不足しており、早期改善の必要性に迫られています。
このような課題に対し、農作業の合理化や機械化(IoT,AIなどの先端技術導入する「スマート農業」化、農地や経営の大規模化、生産から製造・販売までの一体化の「6次産業化」など)を図ることはもちろん、これまでにも労働力の確保政策として、「技能実習制度」や「国家戦略特別区における農業支援外国人受入事業」により外国人の受入れに取り組んできたところでもあります。
農業の持続的な発展を図るためには、農業を担う人材の育成も重要ですが、当面の労働力不足という喫緊の課題に対しては、基本的な農業の知識・技能を有し、現場の状況に応じた作業手順を自ら考え、自ら栽培管理や飼養管理、収穫・出荷調製などの作業を行える即戦力ある外国人を受け入れることにより、農業分野の基盤を維持、成長産業化させていくためには必要不可欠で対策であるとの考えから、特定技能制度が導入されました。。
令和4年3月末現在、農業分野の特定技能外国人は、耕種農業全般6,178人、畜産農業全般1,975人います。さらなる特定技能外国人の増加が課題であることに変わりありません。
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あわせて、
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(外国人本人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(事業主・法人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(個人事業主編)」
をご覧ください。
また、最近の「2022年6月1日からの水際対策(概略)」もご覧ください。
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