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1 概要
外食業分野においても直面している生産年齢人口の大幅な減少により深刻な人手不足の解消のために、これまでにも効率化合理化などに取り組んできました。たとえば、
調理等の機械化(食器洗浄機の導入など)や作業動線の見直しによる省力化のほかに、セルフ・オーダーシステム、セルフ・レジ、キャッシュレス化などによる省力化を進めて得られた余力人員や資金などを有効活用し、新たなメニューなどの開発、国産食材の積極的な使用など付加価値の向上などの取り組み、
また、この分野の従業員構成比率(平成28年「経済センサス」)は、女性が58.9%(全産業平均44.3%)、65 歳以上が12.9%(全産業平均12.5%)と多数を占めており、物理的な作業負担の軽減、安全対策の強化、24 時間あるいは365 日営業の見直しを含む営業時間の短縮等の働きやすい職場環境の改善、
さらには、パートやアルバイトの給与の引上げや正社員化の推進などの人手不足を踏まえた処遇改善の取組が行われています。
しかしながら、外食需要には、物の生産、販売やサービスの提供などの他の分野とは異なり、調理や接客などの業務が、時に臨機応変に作業内容の変更判断が必要であったり、手作り感、高級感、流行性への対応、加えて全般においてのホスピタリティといった価値までも期待されることが多いことから、機械化による効率化、省力化にも限りがあることから、一定以上の従業員の確保が欠かせない分野です。
こういう状況において、平成29(2017)年度の外食業の有効求人倍率は、4.32 倍(「飲食店主・店長」 12.68 倍、「飲食物給仕係」 7.16 倍、「調理人」 3.44 倍など、各職業分類を加重平均)と、全産業の1.54 倍の3倍近くとなっています。
また、欠員率(常用労働者数に対し未充足求人数)は、5.4%(外食業を含む「宿泊・飲食サービス業」の同年上半期)と、全産業計2.4%の2倍以上と高水準にあります。
このように、外食業は、深刻な人手不足の状態にあり、生産性向上、国内人材確保の取組を継続していくとしても、人手不足が完全に解消される見込みにはなっていません。
また、外食業は、国民に豊かで多様な食生活を提供するだけでなく、日本の食文化に関心の高い外国人のインバウンドの活性化のためにも、外食業の役割への期待が大きいことからも、今後も安全で質の高い商品、サービスの提供を行う人材を十分に確保するためには、一定の専門性と技能を持つ即戦力となりうる外国人を受け入れることが必要不可欠であるとの判断から、特定技能制度の導入が行われました。
2 雇用状況
外食店に足を運ぶと、多くの場合、外国人従業員が活躍する場面を目にすることが日常のことのようになりました。
令和3年10月現在では、外国人約18.2万人が外食業で就労しており、在留資格別でみると、資格外活動(留学生などのアルバイト)58%、身分に基づく在留資格(永住者、日本人の配偶者など)22%、専門的技術的分野(外国料理の調理師など)14%とで94%を占めています(技能実習は2%の2,692人)。
外食業分野の特定技能外国人は、令和5年度末までは、受入れ見込数を最大30,500人(コロナによる見直し前は、53,000人)を上限とする方針ですが、令和4年7月末現在においては、3,199人となっています。
外食業分野の特定技能となるための技能測定試験の合格者は、令和元(2019)年5,453人、令和2(2020)年4,897人、令和3(2021)年3月末時点で8,892人ですが、実際の雇用に反映されている状況がみられないのは、上記の大多数の外国人従業員に比べ、支援計画はじめ特定技能外国人に必要な雇用契約の条件の大きな相違が影響しているのかもしれません。逆に言えば、外食業現場では、必要とされる業務は、特定技能外国人のレベルまで要しない扱いなのかもしれません。
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あわせて、
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(外国人本人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(事業主・法人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(個人事業主編)」
をご覧ください。
また、最近の「2022年6月1日からの水際対策(概略)」、「2022年9月7日からの水際対策はどう変わるの?」、「2022年6月1日からの水際対策の変遷」もご覧ください。
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