A 島国たる日本が海外との経済活動を行うには、船舶、航空機によることが避けられません。なかでも、国際貿易における移送手段は、海上輸送が99.6%と圧倒的であり、また、国内貨物輸送においても、約4割(産業基礎物資の約8割)が海上輸送に依存しており、海運は、古くから日本の経済を支える重要な基盤の一つとなっています。
世界経済活動の成長・拡大にともない、海上荷動き量は、平成30(2018)年には30年前と比べて約3倍に増加するなど、好調、安定的に推移しています。
この海運に必要不可欠な船舶の製造にかかわる中枢産業としての造船業、舶用工業の特徴性は、労働集約型産業として、多くの中小事業者からなる周辺産業の裾野が広く、その多くが瀬戸内海部や九州圏に生産活動の拠点を置いています。
造船業では、国内生産比率が84%(地方圏比率93%)、部品の国内調達率が85%であり、また、舶用機関(エンジン)、舶用補助 機械(ポンプ等)、プロペラ、航海用機器等などを製造する船用工業にあっては、事業所数は1,022事業所、従業員数約48,000人(いずれも平成28(2016)年)と地域経済や雇用を支える大きな産業として位置づけられています。
しかし、反面、日本が直面している急激な少子高齢化による生産年齢人口減少、若者の都市部への流出という傾向は、一定の地域に立地することもあって、この産業分野にも大きく影響しており、若手就労者の確保に苦慮しているのが現状です。造船・船用工業を取り巻く環境は、韓国、中国の占有率が高い中、この業界における人手不足の克服は、貿易立国日本の成長・発展の根幹をなす重要な課題です。
これまで造船・舶用工業分野での主な職種の有効求人倍率をみてみますと、平成29(2017)年度においては、溶接(金属溶接・溶断工)2.50倍、塗装(塗装工)4.30倍、鉄工(鉄工、製缶工)4.21倍、仕上げ(めっき工、金属研磨工)4.41倍、機械加工(数値制御金属工作機械工)3.45倍、電気機器組立て(電気工事作業員)2.89倍と深刻な人手不足状況にあり、6,400人程度の人手不足が生じていると推計されています。
日本の造船・舶用工業の目標「2025年の世界の新造船建造量のシェア3割を獲得」を達成するために必要な労働力等を踏まえると、令和5(2023)年度には22,000人程度の人手不足が見込まれます。
造船・舶用工業は、四面を海に囲まれた我が国にとって不可欠な海上輸送に要する船舶を安定的に供給し、また、裾野が広い労働集約型産業として地域の経済・雇用にも貢献している非常に重要な産業であり、シェアが圧倒的に大きい中国、韓国との国際競争力の維持も重要な課題となっています。
こうした中、造船・舶用工業の持続的な発展を図るためには、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることが必要不可欠な状態となっております。
これまでにも造船業の分野では、技能実習(第2、3号)修了者を対象に、「外国人造船就労者受入事業」として、在留期間2~3年以内の「特定活動(造船)」の在留資格により外国人造船就労者を受け入れてきました(2019年3月末:2,873人、うち約9割が溶接)。
しかし、この事業は、平成27(2015)~令和4(2022)年度までの暫定措置であり、新規受け入れは2020年度まででした。
今回、この分野にも特定技能外国人としての受け入れがスタートすることになりました。これまでの「特定活動(造船)」から「特定技能」への移行は可能です。
令和4(2022)年3月末現在、造船・舶用工業分野の特定技能外国人は、1,971人います。
業務区分別では、溶接1,640人、塗装231人、鉄工74人、仕上げ12人、機械加工12人、電気機器組立て2人となっています。
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併せて、
「造船・舶用工業分野に必要な提出書類リスト(特定技能ビザ)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(外国人本人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(事業主・法人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(個人事業主編)」
をご覧ください。
また、最近の「2022年6月1日からの水際対策(概略)」もご覧ください。
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