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上陸拒否・水際対策などのその後の取り扱い(随時加除修正)

投稿日:2021年12月14日 更新日:

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本稿は、12月5日時点で記述しました「新型コロナウィルス感染拡大防止としての上陸拒否など(概要)」をベースに、その後の新型コロナウィルス、中でも変異型のオミクロン株の世界的な感染拡大の状況を踏まえた対策の随時追加等が行われていますので、それを可能な範囲(12月30日現在)で加除修正したものです。  (12月28日 最終加除修正)

最新版「上陸拒否、水際対策措置の現状について)」をご覧ください。

 

法務省は、2021年12月1日付で、当分の間の新型コロナウィルス感染症の拡大防止策としての措置として、上陸拒否対象国・地域からの上陸を原則拒否する方針を公表しました。

あわせて水際対策にかかる措置(外国人の新規入国は全世界を対象に停止、入国者は、14日間の自宅などでの待機(うち指定する国・地域からの入国者は、一定期間を指定の宿泊施設で待機を含む。)など)を厳格に講じることとなりました。

 

上陸拒否対象国・地域滞在歴者

日本上陸申請日前14日以内に、上陸拒否対象国・地域に滞在(給油・乗り継ぎを除く。)していた人は、原則として特段の事情がないかぎり、上陸が拒否されます。

特段の事情を有する者には、上陸許可が行われますが、入国・再入国にあたっては、原則として出国前72時間以内の新型コロナウイルスに関する検査証明が必要です。

■特段の事情の具体例

・再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による再入国する者

*ただし、アンゴラ、エスワティニ、ザンビア、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、マラウイ、南アフリカ共和国、モザンビーク、レソト、コンゴ民主共和国(12月12日以降)の滞在者は、許可があっても再入国許可が拒否されます。

なお、12月11日までに出国し、再入国日の14日前以内にコンゴ民主共和国に滞在していても、「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」(これらの在留資格を有しない日本人・永住者の配偶者又は日本人・永住者の子を含む。)は、許可されます。

・新規に入国する日本人・永住者の配偶者、子である者

・定住者の配偶者又は子で、日本に家族が滞在しており、家族が分離された状態にある者

・外交の在留資格保有者又は取得する者

・公用の在留資格保有者又は取得する者(必要性、緊急性が高いもの)

・ワクチン開発の技術者等、高い公益性が認められる者(特に必要性、緊急性の高いもの)

・その他個別の事情に応じて人道上、真に配慮の必要性があると認められる者

*特に人道上、真に配慮すべき事情があると認められる場合の具体的事例
「短期滞在」の在留資格を取得する者であって、

①病気である本邦居住者又は出産する本邦居住者の看護又は日常生活の支援をする親族

②死亡又は危篤である本邦居住者を訪問する親族

③未成年者又は病気等の理由により単独で渡航することが困難な者の本邦への渡航に同伴する親族

なお、特別永住者は、この入国拒否措置の対象者にはなりません。

 

上陸拒否対象国・地域

あ 

アイスランド、アイルランド、アゼルバイジャン、アフガニスタン、アメリカ合衆国、アラブ首長国連邦、アルジェリア、アルゼンチン、アルバニア、アルメニア、アンゴラ、アンティグア・バーブーダ、アンゴラ

イギリス、イスラエル、イタリア、イラク、イラン、インド、インドネシア

ウクライナ、ウズベキスタン、ウルグアイ

 

エクアドル、エジプト、エストニア、エスワティニ、エチオピア、エルサルバドル

 

オーストリア、オマーン、オランダ

 

カーボベルデ、ガーナ、ガイアナ、カザフスタン、カタール、カナダ、ガボン、カメルーン、ガンビア、カンボジア

北マケドニア、ギニア、ギニアビサウ、キプロス、ギリシャ、キルギス、キューバ

グアテマラ、クウェート、グレナダ、クロアチア

ケニア

コートジボワール、コスタリカ③、コソボ、コモロ、コロンビア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国

サウジアラビア、サントメ・プリンシペ、ザンビア、サンマリノ

シエラレオネ、ジブチ、ジャマイカ、ジョージア、ジンバブエ

スイス、スウェーデン、スーダン、スペイン、スリランカ、スリナム、スロバキア、スロベニア

赤道ギニア、セーシェル、セネガル、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、セルビア

ソマリア

タイ、タジキスタン

チェコ、チリ、中央アフリカ、チュニジア

て 

デンマーク

ドイツ、ドミニカ共和国、ドミニカ国、トリニダード・トバゴ、トルコ

ナイジェリア、ナミビア

ニカラグア

ネパール

ノルウェー

バーレーン、ハイチ、パキスタン、バチカン、パナマ、バハマ、パラグアイ、バルバドス、パレスチナ、ハンガリー、バングラデシュ

東ティモール

フィジー、フィリピン、フィンランド、ブータン、ブラジル、フランス、ブルガリア

ベネズエラ、ベラルーシ、ベリーズ、ペルー、ベルギー

ボスニア・ヘルツェゴビナ、ボツワナ、ポーランド、ポルトガル、ボリビア、ホンジュラス

マダガスカル、マラウイ、マルタ、マレーシア

南アフリカ共和国、南スーダン、ミャンマー

メキシコ

モザンビーク、モナコ、モーリタニア、モーリシャス、モルディブ、モルドバ、モロッコ、モンゴル、モンテネグロ

ヨルダン

ラトビア

リトアニア、リヒテンシュタイン、リビア、リベリア

 

ルクセンブルク、ルーマニア、ルワンダ

レソト、レバノン

ロシア

 

上陸拒否対象国・地域以外の滞在者へのビザ発給

現在、ビザの申請受付、審査については、上記の「特段の事情」と同様の事情がある者を除き、全ての国・地域を対象に、当分の間、停止されているため、特段の事情がなければ結果的に入国できないことになります。

また、すでに有効に発給された一部のビザについて、その効力を停止する措置もなされており、所有者であっても入国が制限がされます。

*12月28日付で、「外国人の新規入国停止」については、当分の間、継続するものとされました。

入国が認められた者の入国時の対応

上陸許可により入国できたとしても、国籍を問わず全ての人が行わなければならないものとして、14日間の自宅等での待機、この間の公共交通機関の使用不可など、次のような水際対策が定められています。

①検査証明書の提出

・出国前72時間以内に受けた検査結果の証明書で、有効な検体、検査方法等が記載された証明書のみ有効です。提出できないと上陸できません。

②検疫所が確保する宿泊施設での待機

・入国前14日以内の滞在国・地域に応じて、入国後14日の待機期間のうち、10日間又は6日間、3日間を検疫所が確保又は指定する宿泊施設に待機し、この間に必要回数(施設待機の期間に応じて、入国日を除いて3日目、6日目、10日目)のPCR検査等を行います(下記のとおり、10日間待機の指定国・地域以外については変更があります)。

下記の国・地域名に#印のあるものは、検疫所が確保する宿泊施設等での待機、指定する施設での検査は不要とされました(アルゼンチン、ペルーについては(12月22日までは必要)。

検査結果により陰性を判定されると残りの日数を自宅等で待機に切り替わります。宿泊施設から自宅等への移動には公共交通機関を利用することはできません。

指定施設での待機が必要な国・地域と待機日数(丸数字)

(注)例 12月29日まで=12月30日午前0時まで 12月30日から=12月30日午前0時から

あ 

アイスランド③、アイルランド③、アメリカ合衆国(イリノイ州⑥、カリフォルニア州⑥(12月30日から)、テキサス州⑥(12月30日から)、ニューヨーク州⑥、ハワイ州⑥、フロリダ州(12月30日から)、マサチューセッツ州⑥、その他の州③)、アルゼンチン③、アンゴラ⑩

イギリス⑥、イスラエル③(12月24日から)、イタリア⑥、インド(カルナータカ州③、ケララ州③、タン州③、マハーラーシュトラ州③、ラジャスタン州③)

#ウクライナ③、#ウズベキスタン③

 

エクアドル③、エジプト③、エストニア③、エスワティニ⑩

 

オーストラリア(首都特別地域③、クイーンズランド州③、ニューサウスウェールズ州③、ビクトリア州③、北部準州③)オーストリア③、オランダ⑥

 

ガーナ③、カナダ③(12月27日から全土)、韓国⑥

ギリシャ③、キプロス③

クロアチア③

ケニア③→⑥(12月27日から)

#コスタリカ③、#コロンビア③、コンゴ共和国⑩

ザンビア⑩

ジョージア③、ジンバブエ⑩

スイス③、スウェーデン⑥、スペイン③、#スリナム③、スロバキア③、スロベニア③

タンザニア③→⑥(12月27日から)

チェコ③、チリ③

て 

デンマーク⑥

ドイツ⑥、#ドミニカ共和国③、トリニダード・トバゴ③、#トルコ③

ナイジェリア③→⑥(12月27日から)、ナミビア⑩

#ネパール③

ノルウェー⑥

#ハイチ③、パキスタン③、ハンガリー③

#フィリピン③、ブラジル(サンパウロ州③)、フランス⑥、仏領レユニオン島③、フィンランド③

#ベネズエラ⑥、ペルー③、ベルギー③

ボツワナ⑩、ポーランド③、ポルトガル⑥

マラウイ⑩、マルタ③(12月27日から)

南アフリカ共和国⑩

モザンビーク⑩、#モロッコ③、#モンゴル③

り 

リトアニア③、リヒテンシュタイン③

ルクセンブルク③

レソト⑩、レバノン③

ロシア③

 12月10日からの変更点

指定施設の確保状況により、オミクロン株感染の国・地域に集約する方針により、それ以外である3日間・6日間の指定宿泊施設での待機対象指定国・地域(上記の⑥、③の表示のある国と地域)から入国・帰国する方で、次の条件を満たすときには、原則として指定宿泊施設での待機、検査を要せず、入国初日から自宅等での14日間の待機に変更されました。

【条件1】 過去14日以内に、オミクロン株(B.1.1.529 系統の変異株)に対する次の指定国・地域に滞在していないこと。

アンゴラ、エスワティニ、ザンビア、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、マラウイ、南アフリカ共和国、モザンビーク、レソト、コンゴ民主共和国 

【条件2】 配布された抗原定性検査キットを使用して、入国後3日目、6日目、10日目に自主検査を実施し、その結果を指定のアプリ等から厚生労働省入国者健康確認センターへ報告すること。

③質問票(WEB)の提出

・入国者情報(日本到着日、航空機の会社名、便名、座席番号、氏名、国籍、性別、生年月日)、日本滞在情報(入国初日からの待機場所など)、流行地域滞在情報(入国14日以内に滞在した地域)、体調情報(発熱等の有無など)、フォローアップ(メールアドレス、電話番号)を内容とするもので、回答をQRコード化し検疫時に提出します。

④ワクチン接種証明書(写し)の提出

・入国時・帰国時の検疫で、有効なワクチン接種証明書の「写し」を提出すると、検疫所が確保する宿泊施設での3日間の待機や、入国後14日間の待機期間の一部が短縮されます。

・証明書の要件:指定国・地域の政府等公的機関発行のもの、所定のワクチン(名、メーカー)、接種日(2回以上)の記載であり、2回目接種日から14日経過など。

・入国後14日間の待機期間の一部を短縮するためには、入国後10日目以降に自主検査を受け、厚生労働省(入国者健康確認センター)に陰性の結果を届け出ることが必要です。

*12月28日付で、「有効なワクチン接種証明書保持者に対する行動制限緩和措置の見直し」については、当分の間、継続(停止)するものとされました。記事としては残しておきます。

⑤誓約書の提出

・14日間の公共交通機関の使用不可、自宅等での待機、位置情報の保存、提示、接触確認アプリ(COCOA)の利用等の誓約書を検疫所に提出します。

・入国後14日間は自宅や検疫所が確保する宿泊施設で待機し、他者との接触はできません。

・毎日、位置情報(待機場所の登録、1日複数回の現在地)と健康状況(1日1回)を専用のアプリ(MySOS)を使用して、「入国者健康確認センター」へ報告を行わなければなりません。

・センターからの登録待機場所への居所確認のためのビデオ通信での応答が必要です。

・正当な理由なく、健康状態や位置情報の報告を行ったなど制約に違反した場合は、氏名(外国人は国籍も)や感染拡大星に資する情報が公表されることがあり(12月28日現在、133名を公表)、特に外国人にあっては、在留資格取消手続き、退去強制手続きの対象になることがありますので注意が必要です。

(12月に入ってからのこと、名古屋の地下鉄車両に[NRT](成田)のタグを付けたキャリーバッグを携行する日本人が乗り込んできました。この地下鉄以外にも、もし成田から名古屋まで公共交通機関を利用して移動してきたのであれば、誓約違反の事例の一つと言えます。)

⑥感染防止対策

国内滞在中は、マスクの着用、手指消毒、3蜜の回避の感染防止対策行う必要があります。

 

まとめ

これまでにも新型コロナウィルスの国内外での感染状況やウィルスを踏まえた有効な対策が日に日に示されてきました。国内では、ワクチン接種の普及などの効果として、一時期に比べると落ち着いている感がありますが、変異型のオミクロン株が出現し、世界的な感染拡大が危惧されることから、上陸拒否や入国者の取るべき措置などの水際対策が引き続き重要です。

12月下旬、徐々に変異株オミクロン型の市中感染者の発生が各地で確認されるようになり、デルタ株より感染力の強いことから全国的な感染拡大が危惧されており、現在の入国拒否や水際対策は、今しばらく続くのではないかと懸念されます。

*12月28日付で、「外国人の新規入国停止」、「有効なワクチン接種証明書保持者に対する行動制限緩和措置の見直し」については、当分の間、継続するものとされました。

一方で、停滞気味であった国内の経済活動も回復の兆しにあり、人手不足対策としての特定技能外国人の雇用や技能移転としての技能実習の受け入れの再開が急がれます。関係者の方々は、その事業を展開するにあたっての外国人の受け入れについて方向性が見いだしにくくお困りのことと存じます。しかし、いつ今回の措置が撤回されるのかを見守りながら、必要な手続きは着実に準備されることも必要です。

 

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