特定技能外国人を雇用する中で、雇用の前提となる条件に変更が生じたら、14日以内に出入国在留管理局に必要な届出が必要となります。
どのような事由が生じたら届出が必要になるのかは、「特定技能所属機関は、どういうときに届出が必要になるのですか?(随時届出)」で概要を説明しましたとおり、就業場所や労働時間などの雇用条件を変更したとき、契約期間の最終日が到来する前に雇用契約を終了したとき、雇用契約終了により新たに雇用契約を締結したとき、支援体制に変更があるとき、本人や所属機関の都合により特定技能外国人の雇用ができなくなったとき、所属機関に出入国管理又は労働関係法令違反等があったときに届出が必要となります。
詳しくは、「こちら」をご覧ください。
今回は、雇用条件の変更のうち、就業場所を変更したときの説明です。
就業場所の変更
届出の対象となる就業場所の変更とは、主にこれまで特定技能外国人が就業してきた派遣先や特定の産業分野においての事業所を変更したときです。
これ以外でも、所属機関内の同一事業所内での部署の変更なら不要と思いがちですが、雇用条件書に具体的に部署を定めて表示がある場合や同一所属機関が事業展開する他の事業所への変更についても、雇用条件書と異なる事業所、表記のない事業所への転勤となりますと届出が必要となりますので注意が必要です。
以下では、就業場所の変更で届出が必要な派遣先の変更と特定の産業分野での事業所の変更について説明します。
派遣労働者の特定技能外国人の派遣先を切り替えたとき
特例技能外国人を派遣労働者として雇用できるのは、農業、漁業分野においてのみです(参考 農業分野の派遣については、「こちら」を、漁業分野の派遣については、「こちら」をご覧ください)。
農業分野では、深刻な人材不足、多くの農家が小規模、個人的であることから、季節により作業の繁閑があり、同じ地域でも作目の違いで収穫や定植などの作業のピークに時間差があることをうまく活用すれば、全国規模での労働力の融通できることから、
また、漁業分野においても同様に、深刻な人材不足のうえ、魚業者の多くは零細であったり、活動拠点が半島や離島などであたり、同じ操業地域にあっても、取り扱う魚種や漁法の違いによる繁閑期が異なることにより労働力の融通、雇用支援の一元化といったニーズに対応するために、必要な時期に必要な事業者に特定技能外国人を派遣することを認められたものです。
ですから、派遣事業者は、特例技能外国人をこれまでの事業所から他の事業者に変更するたびに、所定期限内に必要な書類を届けなければなりません。ただし、在留諸申請の際に提出した派遣計画書に記載してある複数の派遣先内での変更は除きます。
特定の産業分野において事業所を変更したとき
特定の産業分野とは、特例技能外国人が就業する介護、ビルクリーニング、宿泊、外食業分野が該当します。
なぜなら、それらの事業所が事業展開するには、一定の許可等を行政機関から受けていることが必要です。そこで、特定技能外国人が、他の事業所へ転勤等により変更すれば、その事業所もまたこれらの許可等を有することが不可欠ですので、それを確認するために届出が求められるものとなっています。
これらの分野以外でも、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で事業所を変更した場合は、協議会の構成員であることの書類の添付が求められます。
共通の提出書類
上記のとおり、就業場所の変更には、派遣先の変更と特定分野での事業所の変更とがあります。この届出には、両者において共通に必要な書類と、それぞれの事由に応じた個別の追加の書類が必要となります。
ここでは、いずれの場合でも作成が必要な書類についてみていきます。
特定技能雇用契約の変更に係る届出書(参考様式第3-1-1号)
届出の対象者の属性
氏名、性別、生年月日、国籍・地域、住居地、在留カード番号、特定産業分野、業務区について記入します。
届出の対象者が複数人あるときは、それぞれの特例技能外国人についての届出事項を連記できる「特定技能雇用契約に係る届出書(別紙)」(参考様式第3-1号(別紙))があります。
特定技能雇用契約の変更内容
変更年月日、変更事項、変更内容
雇用契約期間、就業の場所、従事すべき業務の内容、労働時間等、休日、休暇、賃金、退職に関する事項、その他(社会保険・労働保険の加入状況、健康診断、帰国担保措置)
*変更後の雇用条件書(参考様式第1-6号、別紙を含む。)の添付も必要です。
(変更があった部分だけを記載又は既にある雇用条件書に朱書き修正した形のもの)
変更後の雇用条件書の署名は、対象の特定技能外国人本人が、内容を十分に理解できる言語で翻訳、説明したうえで、本人の理解を確認することが必要です。
これは、変更内容を明らかにするだけでなく、本人に変更を通知し、同意を求めるためと十分に理解したことを確認するためです。
届出をする所属機関の属性
法人番号(法人以外は空白)、機関の氏名・名称
機関の住所(本店又は主たる事務所)
担当者氏名、電話番号
本届出書作成者の署名/作成年月日
・本書を作成できるのは、所属機関の役職員のほか委任を受けた行政書士、弁護士に限られます。登録機関に支援の実施を委託していても作成はできず、適正な届出をしたものとは扱われません。
雇用条件書(参考様式第1-6)
以下の事項について、変更のあった事項を記載します。
また、変更した内容は、本件届出対象の特定技能外国人が十分に理解できる言語に翻訳、説明し、内容を理解を確認したうえで、本人の署名を受けることが必要です。
届出事項
雇用契約期間
開始時期と満了時期の具体的な年月日を記入します。
契約の更新の有無
□自動的に更新 □更新する場合がある(更新判断基準を選択:契約満了時の業務量 勤務成績・態度、業務遂行能力、会社の経営状況、業務の進捗状況、その他) □契約は更新しない の該当するものを選択
就業場所
(1)直接雇用のときは、事業所名、所在地、連絡先(複数の所に就業するときは、主要場所を記入し、残りの事業所を別紙にまとめ添付)、所在地、連絡先
(2)派遣雇用のときは、就業条件明示書に記入
従事すべき業務の内容
該当する産業分野、業務区分を記入します。
労働時間等
以下の項目について記入します。
(1)始業・終業の時刻等 始業 ( 時 分) 終業 ( 時 分) (1日の所定労働時間数 時間 分)
(2) 変形労働時間制:( )単位の変形労働時間制
※ 1年単位の変形労働時間制を採用しているときには、本人が十分に理解できる言語を併記した年間カレンダーの写しと労働基準監督署へ届け出た変形労働時間制に関する協定書の写しを添付
(3) 交代制として、次の勤務時間の組合せ
始業( 時 分) 終業( 時 分) (適用日 、1日の所定労働時間 時間 分)
始業( 時 分) 終業( 時 分) (適用日 、1日の所定労働時間 時間 分)
始業( 時 分) 終業( 時 分) (適用日 、1日の所定労働時間 時間 分)
(4)休憩時間 ( 分)
(5)所定労働時間数 ①週( 時間 分) ②月( 時間 分) ③年( 時間 分)
(6)所定労働日数 ①週( 日) ②月( 日) ③年( 日)
(7)所定時間外労働の有無
詳細は、就業規則 第 条~第 条
(8)休日
定例日:毎週 曜日、日本の国民の祝日、その他(夏季休暇 日、年末年始 日) (年間合計休日日数 日)
非定例日:週・月当たり 日、その他( )
詳細は、就業規則 第 条~第 条
(9)休暇
年次有給休暇 6か月継続勤務した場合 日
継続勤務6か月未満の年次有給休暇有無 有: か月経過で 日
その他の休暇 有給( 休暇) 無給( 休暇 )
一時帰国休暇 本人が一時帰国を希望した場合は、上記休暇の範囲内で必要な休暇を取得
(詳細は、就業規則 第 条~第 条)
賃金
以下の項目について記入します。
(1)基本賃金 □月給( 円) □ 日給( 円) □ 時間給( 円)
※詳細は別紙のとおり
(2)諸手当(時間外労働の割増賃金は除く)( 手当、 手当、 手当)
※詳細は別紙のとおり
(3)所定時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金率
①所定時間外 法定超月60時間以内 ( )%、法定超月60時間超 ( )%、所定超 ( )%
②休日 法定休日 ( )%、 法定外休日 ( )%
③深夜 ( )%
(4)賃金締切日 □ 毎月 日、 □ 毎月 日
(5)賃金支払日 □ 毎月 日、 □ 毎月 日
(6)賃金支払方法 □ 口座振込 □ 通貨払
(7)労使協定に基づく賃金支払時の控除 □ 無 □ 有
※詳細は別紙のとおり
(8)昇給 □ 有(時期、金額等 ) □ 無
(9)賞与 □ 有(時期、金額等 ) □ 無
(10)退職金 □ 有(時期、金額等 ) □ 無
(11)休業手当 □ 有(率 %)
退職に関する事項
(1)自己都合退職の手続(退職する 日前に社長・工場長等に届けること)
(2)解雇の事由及び手続
解雇は、やむを得ない事由がある場合に限り少なくとも30日前に予告をするか、又は30日分以上の平均賃金を支払って解雇する。特定技能外国人の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合には、所轄労働基準監督署長の認定を受けることにより予告も平均賃金の支払も行わず即時解雇されることもあり得る。
(詳細は、就業規則 第 条~第 条)
その他
以下の項目について、記入します。
(1)社会保険の加入状況・労働保険の適用状況
厚生年金 、 健康保険 、 雇用保険 、 労災保険 、 国民年金 、 国民健康保険 、その他( )
(2)雇入れ時の健康診断 年 月
(3)初回の定期健康診断 年 月 (その後 年 ごとに実施)
(4)本契約終了後に乙が帰国するに当たり、乙が帰国旅費を負担することができないときは、甲が当該旅費を負担するとともに、帰国が円滑になされるよう必要な措置を講じることとする。
別紙 賃金の支払
以下の項目について、記入します。
(1)基本賃金
□ 月給( 円) □ 日給( 円) □ 時間給( 円)
※月給・日給の場合の1時間当たりの金額 ( 円)
※日給・時間給の場合の1か月当たりの金額( 円)
(2)諸手当の額及び計算方法(時間外労働の割増賃金は除く。)
① ( 手当 円/計算方法: )
② ( 手当 円/計算方法: )
③ ( 手当 円/計算方法: )
④ ( 手当 円/計算方法: )
(3)1か月当たりの支払概算額(1+2) 約 円(合計)
(4)賃金支払時に控除する項目
① 税 金 (約 円)
② 社会保険料 (約 円)
③ 雇用保険料 (約 円)
④ 食 費 (約 円)
⑤ 居 住 費 (約 円)
⑥ その他 (水道光熱費) (約 円)
( ) (約 円)
( ) (約 円)
( ) (約 円)
( ) (約 円)
( ) (約 円)
控除する金額 約 円(合計)
(5)手取り支給額(3-4) 約 円(合計)
※欠勤等がない場合であって,時間外労働の割増賃金等は除く。
個別の事由による必要な書類
派遣先の変更、特定産業分野の事業所の変更に応じて必要な追加書類は、以下のとおりです。
派遣先の変更
派遣計画書(参考様式第1-12号)
就労条件明示書(参考様式第1-13号)
派遣先の概要書(農業:参考様式第1-14号、漁業:参考様式第1-15号)
労働者派遣契約書
派遣先に係る労働・社会保険及び租税の法令を遵守していることを証明する資料
派遣先事業者誓約書(分野参考様式第11-2号)*農業のみ
介護分野での事業所の変更
・業務を行わせる事業所の概要書(介護分野参考様式第1-2号)
ビルクリーニング分野での事業所の変更
・建築物清掃業登録証明書
・建築物環境衛生総合管理業登録証明書
のいずれか。
宿泊分野での事業所の変更
・旅館業許可証(旅館・ホテル営業許可書)
外食業分野での事業所の変更
・保健所長による営業許可書の写し(飲食店営業はじめ32業種)
・営業許可を要しないが保健所長への届出の対象となる施設(コンビニなど、許可業種や届出不要以外のもの)は、その届出の写し
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