A
・特定技能外国人は、その専門的な技能を即戦力として活用する制度であることから、農業分野に関して相当程度の知識又は経験を必要とする業務に従事します。
・当該外国人は、従事しようとする業務に必要な技能や日本語能力が、一定以上の水準であることが必要です。それを有するかどうかは、技能評価試験と日本語試験とにより判断されます。
・耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)に従事する特定技能外国人については、農業技能測定試験(耕種農業全般)と指定された種類の「日本語試験」に合格していることが必要です。
1 「農業技能測定試験(耕種農業全般)」とは
(1)概要
・この試験水準は、日本国内での農業の実務経験が3年以上の者であれば7割程度が合格する水準、技能実習でいえば農業技能実習評価試験(専門級)と同等程度のものとされています。
・この試験は、次のように、学科試験と実技試験、業務上必要な日本語能力の確認とがあります。
・学科試験は、耕種農業一般、安全衛生、栽培作物の品種・特徴、栽培環境(施設・設備・資材・機械)、栽培方法・管理、病害虫・雑草防除、収穫・調整・貯蔵・出荷等に関して、
・実技試験では、土壌の観察、肥料・農薬の取扱い、種子の取扱い、環境管理、資材・装置・機械の取扱い、栽培に関する作業、安全衛生等に関して、イラスト・写真により判断を内容としています。
・試験方式は、コンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式(コンピュータを使用して出題し、受験者が画面上で解答)又はペーパーテスト方式による〇×式、択一式で70問程度です。
(2)出題範囲
ア 耕種農業一般
(ア)学科試験
a 各器官の成長・生育.....各器官の成長・生育
b 栽培方法.....種、育苗・定植、灌水
c 栽培管理.....土壌の種類、土壌の酸度、肥料の要素、施肥、施肥改善、摘心、人工受粉、摘花・摘果、整枝・剪定、袋かけ、収穫、苗木の繁殖・生産
(イ) 実技試験
なし
イ 安全衛生
(ア)学科試験
a 作業開始前の安全装置等の点検方法
b 耕種農業職種に必要な整理整頓
c 耕種農業職種の作業用機械及び周囲の安全確認方法
d 保護具等の着用と服装の安全点検
e 安全装置の使用等による安全
f 労働衛生上の有害性を防止
g 異常時の応急措置及び退避
(イ)実技試験
なし
ウ 稲作
(ア)学科試験
a 栽培作物の特徴.....栽培作物の品目・作型の特徴
b 栽培環境..... 温度、光(日長)、水、栄養、土壌
c 被覆資材.....被覆資材のフィルム
d その他施設・設備.....育苗用ハウス
e 病害虫・雑草防除
f 収穫
(イ)実技試験
a 土壌の観察.....機器等を用いた土壌の酸度測定
b 肥料の取扱い.....肥料の区別、肥料設計、施肥
c 種子の取扱い.....加工種子の区別
d 資材・装置の取扱い.....被覆資材の利用目的の理解、区別
e 栽培に関する作業.....移植、収穫
f 安全衛生
・防除器具等の点検、防除衣の着用、薬剤散布後の処理
・農業機械等の点検、安全な取扱い
・電源、燃料油の安全な取扱い
・農薬の希釈・保管
・噴霧器の安全点検
エ 畑作・野菜
(ア)学科試験
a 栽培作物の特徴.....栽培作物の品目・作型の特徴
b 栽培環境.....温度、光(日長)、水、栄養、土壌
c 被覆資材.....被覆資材のフィルム
d その他施設・設備.....トンネル・マルチング、予冷施設
e 病害虫・雑草防除
f 収穫
(イ)実技試験
a 土壌の観察.....代表的な土壌の種類、機器等を用いた土壌の酸度測定
b 肥料の取扱い.....肥料の区別、肥料設計、施肥
c 種子の取扱い.....種子の区別と計量、明暗発芽種子の区別
d 資材・装置の取扱い.....被覆資材の利用目的の理解、区別
e 栽培に関する作業.....は種、かん水、作物の生育診断、苗の定植
f 安全衛生
・防除器具等の点検、防除衣の着用、薬剤散布後の処理
・農業機械等の点検、安全な取扱い
・電源、燃料油の安全な取扱い
・農薬の希釈・保管
・噴霧器の安全点検
オ 施設園芸
(ア)学科試験
a 栽培作物の特徴.....栽培作物の品目・作型の特徴
b 施設の種類・構造.....種類・構造一般、ガラス温室、プラスチックハウス、雨よけハウス、単棟型・連棟型
c 被覆資材.....ガラス、不織布、フィルム、生分解性被覆資材
d 付帯設備・装置.....暖房、換気、炭酸ガス発生装置、病害虫防除装置、潅水装置、養液栽培装置
e 環境管理.....施設内環境の温度、光、水分、湿度、複合環境制御
f 養液栽培.....方式と培地
g その他施設・設備.....トンネル・マルチング、予冷施設
h 病害虫・雑草防除
i 収穫
(イ)実技試験
a 土壌の観察.....代表的な土壌の種類、機器等を用いた土壌の酸度測定
b 肥料の取扱い.....肥料の区別、施肥設計、施肥
c 環境管理.....温度・湿度計の取扱い、最高温度、最低温度、現在の温度の測定
d 資材・装置の取扱い.....被覆資材・装置の取扱い、被覆資材の利用目的の理解、区別
e 栽培に関する作業.....育苗方法の区別、作物の生育診断、苗の定植又は播種
f 安全衛生
・防除器具等の点検、防除衣の着用、薬剤散布後の処理
・農業機械等の点検、安全な取扱い
・電源、燃料油の安全な取扱い
・農薬の希釈・保管
カ 果樹
(ア)学科試験
a 栽培作物の特徴.....果樹の一生、一年間の生育の特徴
b 品種.....果樹の品種とそれぞれの収穫時期
c 苗木生産.....苗木の生産や接ぎ木の仕方
d 栽培管理.....結実管理、摘花・摘果、整枝・剪定などの管理
e 被覆資材・植物成長調整剤....被覆資材のフィルム、植物調整剤
f 施設・設備.....かん水・マルチング・貯蔵施設
g 病害虫・雑草防除、樹園地管理
h 収穫・貯蔵
(イ)実技試験(常緑果樹と落葉果樹)
a 土壌の観察.....代表的な土壌の種類、機器等を用いた土壌の酸度測定
b 肥料の取扱い.....肥料の区別、肥料設計、施肥
c 種子・苗木の取扱い.....種子の取扱い、苗木(接ぎ木含む)生産、切り接ぎ、台木と接ぎ穂の合わせ、台木と接ぎ穂の合わせ
d 栽培に関する作業
・果樹共通...摘果、結果習性の理解、結果習性の理解、基礎的せん定
・落葉果樹...適期の判断、人工受粉、袋かけ、誘引、収穫
・常緑果樹...適期判断の収穫
e 安全衛生
・防除器具等の点検、防除衣の着用、薬剤散布後の処理
・農業機械等の点検、安全な取扱い
・電源、燃料油の安全な取扱い
・農薬の希釈・保管
・噴霧器の安全点検
キ 日本語
・日本語で指示された農作業の内容等の聴き取り(音声ヒアリングによる数字の記述式及び択一式試験)
<出題範囲>
a 数字.....値段、時刻、日付等、数字を含んだ基本的な表現の聴き取り、理解
b 表現.....挨拶表現、基本的な名詞、動詞、形容詞、副詞などを含む短文の聴き取り、理解
・この技能評価試験は、耕種、畜産ともに「一般社団法人全国農業会議所」が、行うこととされています。詳しくは、「こちら」をご覧ください。
2 日本語能力水準
「日本語能力試験(N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト」の合格
・日本語能力試験については、「こちら」をご覧ください。
・国際交流基金日本語基礎テストについては、「こちら」をご覧ください。
「Q&A 特定技能の「農業分野」について、詳しく教えてください」に戻る。
あわせて、
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(外国人本人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(事業主・法人編)」
「特定技能の在留資格変更手続きの必要書類は?(個人事業主編)」
をご覧ください。
また、最近の「2022年6月1日からの水際対策(概略)」もご覧ください。
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